特定技能「介護」の受け入れ人数に上限はある?算出基準を解説
作成日:2026年7月12日
最終更新日:2026年7月12日

監修者
武藤 拓矢合同会社エドミール 代表社員
資格:申請等取次者 / 外国人雇用管理主任者
2018年から外国人人材領域に携わり、技能実習・特定技能・技人国の全領域で延べ600名以上の採用から定着までを支援。2019年に登録支援機関「合同会社エドミール」を設立し、介護分野を中心に外国人材の導入・定着を伴走。商工会議所主催の外国人活用セミナーにも登壇。
特定技能「介護」の受け入れ人数は、事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数が上限です。企業単位で上限が決まる建設分野とは、算出の考え方が異なります。
ここでは、上限のカウント方法と、技能実習生との違いをまとめました。
特定技能介護の受け入れ人数の算出基準
介護分野の受け入れ人数は、事業所ごとに「日本人等の常勤介護職員の総数」を上限として算出します。事業所とは、法人単位ではなく、実際に介護サービスを提供する施設・事業所ごとの単位を指します。
上限は事業所単位で常勤介護職員数
たとえば、ある施設の常勤介護職員が20名であれば、その施設で受け入れられる特定技能「介護」の外国人は最大20名になります。建設分野が企業単位で常勤職員数を基準にするのに対し、介護分野は事業所単位である点に注意が必要です。
常勤介護職員に含まれる人・含まれない人
上限を計算する「日本人等の常勤介護職員」には、日本人職員のほか、次の在留資格を持つ職員も含まれます。
- 永住者、日本人の配偶者等、定住者など身分・地位に基づく在留資格の職員
- 在留資格「介護」で在留する職員
- 介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士
一方、次の人員はカウントに含まれません。
- 特定技能1号の外国人本人
- 介護福祉士国家試験に未合格のEPA介護福祉士候補生
- 技能実習生
- 留学生
特定技能の受け入れ枠を計算する際に、既に受け入れている特定技能外国人や技能実習生を分母に含めてしまうと、実際より多く受け入れられるように見えてしまいます。分母は「日本人等」の常勤介護職員数に限られる点を押さえておく必要があります。
技能実習生との人数カウントの違い
技能実習「介護」にも人数枠がありますが、算出方法が異なります。技能実習の人数枠は、事業所の常勤介護職員数から技能実習生を除いた人数を基準に算定します。
同じ事業所で技能実習生と特定技能「介護」の両方を受け入れている場合、それぞれの枠を別々に計算する必要があります。どちらか一方の枠を大きく見せるために、もう一方の在留資格者を分母に含めることはできません。人数枠の管理は、受け入れ状況を都度整理しておくと、算出ミスを防ぎやすくなります。
複数施設を運営する法人での考え方
複数の介護施設を運営する法人の場合も、人数枠は法人単位ではなく事業所単位で適用されるのが原則です。A施設で枠に余裕があっても、その枠をB施設の受け入れに充てることはできません。
施設ごとの常勤介護職員数を把握したうえで、施設単位で受け入れ計画を立てる必要があります。
よくある質問
パートやアルバイトの介護職員は人数のカウントに含まれますか
含まれません。上限の計算対象は常勤の介護職員に限られます。非常勤・パートタイムの職員は分母に含めることができません。
常勤介護職員が減ると、既に受け入れている特定技能外国人はどうなりますか
すでに受け入れている外国人の在留資格が直ちに取り消されるわけではありません。ただし、新たな受け入れや在留期間の更新の際には、その時点の常勤介護職員数をもとに上限が判断されます。
人数枠の考え方は建設分野と同じですか
異なります。建設分野は企業単位で常勤職員数を基準にしますが、介護分野は事業所単位で常勤介護職員数を基準にします。分野ごとに算出単位が違う点に注意してください。
まとめ
特定技能「介護」の受け入れ人数は、事業所単位で日本人等の常勤介護職員数が上限です。永住者や在留資格「介護」の職員は分母に含まれますが、特定技能本人・技能実習生・留学生は含まれません。技能実習生を同時に受け入れている場合は、枠を別々に計算する必要があります。
実務でつまずきやすいのは、常勤介護職員が退職した後の対応です。退職により分母となる常勤介護職員数が減ると、新たな受け入れをしていなくても、再計算後の上限を既存の受け入れ人数が超えてしまうケースがあります。この場合、直ちに現在の外国人材の在留資格が取り消されるわけではありませんが、次の在留期間更新や新規受け入れの審査では、その時点の常勤介護職員数で判断されます。人員の入れ替わりが多い施設ほど、四半期に一度程度は常勤介護職員数を数え直し、余裕を持った受け入れ計画にしておくと、更新時期になって慌てずに済みます。
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