外国人介護士の定着率を上げる方法|離職理由と対策

作成日:2026年7月12日
最終更新日:2026年7月12日

武藤 拓矢(合同会社エドミール 代表社員)

監修者

武藤 拓矢合同会社エドミール 代表社員

資格:申請等取次者 / 外国人雇用管理主任者

2018年から外国人人材領域に携わり、技能実習・特定技能・技人国の全領域で延べ600名以上の採用から定着までを支援。2019年に登録支援機関「合同会社エドミール」を設立し、介護分野を中心に外国人材の導入・定着を伴走。商工会議所主催の外国人活用セミナーにも登壇。

外国人介護士の離職理由で最も多いのは「介護以外の職種への転職」で、過去5年間で52.1%を占めています。次いで賃金への不満が36.3%です。

ここでは、離職理由の実態と、定着率を上げるための具体的な取り組みをまとめました。

外国人介護士の離職率・離職理由の実態

全国老人福祉施設協議会が2025年1〜2月に824施設を対象に調査を実施しました(回答192施設、外国人材1,177人)。離職理由の内訳は次のとおりです。

離職理由の内訳

離職理由割合(過去5年間)
介護以外の職種への転職52.1%
賃金への不満36.3%
病気のため26.8%
他の施設への転職22.3%

この調査では、離職には賃金の満足度が影響していると分析されています。介護そのものへの不満より、待遇や職場環境が離職の引き金になりやすい傾向がうかがえます。

定着率を上げる具体的な取り組み

離職理由を踏まえると、生活面・職場環境・キャリアの3つの領域で対策を打つことが有効です。

生活面のサポート

住居契約や銀行口座開設、行政手続きへの同行など、生活基盤を整えるサポートは、来日直後の不安を減らす効果があります。義務的支援の範囲内で対応できる項目も多く、登録支援機関と役割分担しておくと現場の負担を抑えられます。

職場でのコミュニケーション

日本人スタッフとのコミュニケーション不足は、孤立感につながります。メンター役のスタッフを配置する、業務指示をやさしい日本語で伝える、定期的な面談で困りごとを早めに拾うといった対応が有効です。

キャリアパスの提示

特定技能「介護」から在留資格「介護」への移行には、介護福祉士国家試験の合格が必要です。試験対策の支援体制や、資格取得後の待遇の見通しを早い段階で示すと、長期的に働くイメージを持ってもらいやすくなります。

登録支援機関に依頼できる定着支援の範囲

義務的支援10項目のうち、生活オリエンテーション・相談苦情対応・定期面談は、登録支援機関が直接担う部分です。一方、職場内のメンター配置や日本人スタッフへの異文化理解研修は、受け入れ施設側の取り組みが中心になります。

登録支援機関と施設側で役割を分けたうえで、双方の支援が重なる部分(生活相談と職場相談の連携など)をすり合わせておくと、対応の抜け漏れを防ぎやすくなります。

よくある質問

特定技能の外国人介護士の離職率は日本人職員より高いですか

特定技能外国人の離職率は10.6%です(出入国在留管理庁の有識者会議資料)。介護労働安定センターの調査による介護職全体の離職率12.4%と比べても、特に高いわけではありません。ただし施設ごとの支援体制によって差が出ます。

定着支援は登録支援機関に任せておけば十分ですか

義務的支援だけでは、職場内の人間関係やキャリア形成までは対応しきれません。施設側の受け入れ体制とあわせて整えることが定着率向上につながります。

離職の兆候はどこで気づけますか

定期面談での表情や発言の変化、遅刻・欠勤の増加、同僚との会話が減るといった様子が早期のサインになることがあります。日常的な声かけの中で気づけるようにしておくとよいでしょう。

まとめ

外国人介護士の離職理由は、介護以外への転職と賃金への不満が中心です。生活面のサポート、職場でのコミュニケーション、キャリアパスの提示という3つの取り組みを組み合わせることで、定着率の向上につながります。

受け入れ全体の流れは外国人介護人材の受け入れガイド、費用面は特定技能「介護」の費用相場で解説しています。定着支援の体制についてのご相談は無料相談から承っています。